①チャイコフスキー
　ピアノ三重奏曲イ短調　作品50『偉大な芸術家の思い出に』
②ショスタコーヴィチ
　ピアノ三重奏曲第1番ハ短調　作品8

チョン・トリオ
　チョン・キョンファ（ヴァイオリン）
　チョン・ミュンファ（チェロ）
　チョン・ミュンフン（ピアノ）
録音：1988年（デジタル）

チョン・キョンファを中心に、姉のミュンファ、弟のミュンフンの3姉弟による、新旧ピアノ三重奏の名作のカプリング。チャイコフスキーを得意とするチョン・キョンファの水を得た魚のように自由に動き回るヴァイオリンに加え、今や大指揮者となったミョンフンの構成力、そして、ミュンファの受け渡しの妙、チョン・トリオとしてもベスト・フォーム、同曲における名盤でもあります。

音楽評論家：宇野功芳氏（ライナーより）
「ミュンフンの指揮者としての強靭な構成力が演奏を引き締めているのは事実だが、その中でキョンファが水を得た魚のように自由に泳ぎまわっている。（中略）このチャイコフスキーは久しぶりのキョンファ節満開であり、僕などはやはりこの方を好む。彼女が弾き始めると空気が一変してしまうのだから、その存在感は大きく、切なくなるような節まわしやルバート、虚無的なピアニッシモ、めんめんたる情緒、嘆きと愁い、幻想的な憧れなど、持てる才能と表現力のすべてを駆使してリードしてゆくのである。」

傑作が少ないと評されるチャイコフスキーの室内楽曲の中でも、本盤におさめられたピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の想い出」だけは例外だ。それどころか、ベートーヴェンの大公にも匹敵する至高の大芸術作品として、高く評価されるべきものである。この傑作の最高の名演は、まぎれもなく、本盤の全盛期のチョントリオによる名演だ。兄弟ということで、鉄壁のアンサンブルを誇る息のあった名コンビが、チャイコフスキーの絶美の旋律を、透徹した表現で、完璧に歌い抜いているからである。感傷に陥ることはいささかもなく、高踏的な美しさを常に保っている点も、このコンビならではの凄みであり、芸術性の高さであると考える。併録のショスタコーヴィチも名演だ。

国内盤【廃盤】帯付き、盤面傷無し　11
開封済みですが新品に近い美品です

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あんこ様

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